日頃、未回収の伏線が多いやら矛盾してるやら意味がわからないやらと散々な評価を受ける仮面ライダーカブトであるが、マスクドライダー計画とかの基本的な設定については多少強引ではあるものの一応説明がついている。
……ついてるよね?。見すぎて脳が勝手に補正しているような気もするのでこの辺の話は正直自信がなくて参加できない。
ネイティブ周りの疑問点はネイティブは一度は消えたことがある設定っぽい以上もう仕方がない。三島さんも田所さんもかなりギリギリまで人間とワームの間を右往左往していたはず。
そんなカブトでも個人的にとりわけ謎なシーンが第13話におけるオリーブオイルを売っている雑貨屋での出来事である。
ネタシーン以外で?が浮かんだのはここが初めてだったかもしれない。
このシーンについて気にしている人が少ないため実は意味不明じゃないという可能性もあるが俺的には初めて見た時からずっと謎なシーンなので今回はいろいろな仮説を立てて遊びたい答えに辿り着きたい。
13~14話のあらすじ
チーム・シャドウの元隊員が次々と殺害される事件が発生する。
シャドウの情報を売っている内通者の存在が囁かれる。
シャドウ隊長となった影山は矢車の逆恨みを疑う。
シャドウは解散したという設定で組織ぐるみでの芝居を打ち、矢車を騙す。
矢車さんはシロだったが思ってたよりもできない人だったのでついでにクビにされた。
真犯人は神崎士郎のそっくりさんのそっくりさんだった。
件のシーン
- ビストロサルのオリーブオイルが切れる。いつもなら宅配で済むところ、連絡がつかないため店までお使いを頼まれたひよりがシャドウ隊員*1が営む雑貨屋に入店。無人で荒れ果てた店内にひよりビビる。
- 天道登場。
- 店の奥で男の叫び声と物音がする。
- 天道、ドアを開ける。
- ドアの向こうには入口側のドアに向かって銃を構える矢車さんの姿があった。
- 天道と矢車さん、オリーブオイルを巡る会話。
- 場面転換
今回は以下の3点から考えてみる。
①なぜ店内が荒れていたのか
②奥の部屋で何が起きたのか。悲鳴の主は誰だったのか。
③(入口側のドアに向かって銃を構えるなど)矢車さんは一体何がしたかったのか
直前の影山との会話シーンでの「他の隊員がどこにいるか知らないか?」という台詞から、矢車さんが倉庫にいた理由は「影山に店舗と倉庫の場所を教えられた」とする。
仮説を立ててみる
- 店長がいた。
- ワームの襲撃があった。
- ストレスが限界に達した矢車さんの奇行。
- 影山の工作。
- 矢車さんは骨董屋の怪人だった。
- 深い意味はない。
1. 店長がいた
矢車の真の目的はおそらく店長とのコンタクトであることと天道との会話における矢車の何かを隠すような口ぶりから考えても一番あり得そうな説。
おそらく天道がドアを開けたときには本当に矢車1人だったこと・倉庫での矢車の「もう逃げる必要はない」という台詞から推測して、
① 内通者疑惑のかかる矢車さんと一対一になり身の危険を感じた店長は店の奥に逃げ込んだ。通路が狭かったため逃げる過程で瓶が割れた。
②矢車さんがしつこく追いかけてくるため店長がビビって叫んだ。店長は窓か勝手口かどこかから逃げた。
③ 店長は何かに追われていたんだと勘違いした矢車さんが入り口に向かって銃を構えた。
という流れだったのかもしれない。ただその場合、直前の流れからして店と倉庫の場所を教えたのは影山だろうし店長にも矢車が来るから注意しろと伝えてあるだろう。それに、「シャドウが再結成される。だからもう逃げる必要はない」は「俺がまたザビーになってワームを倒すからもう怯えなくていい」もしくは「シャドウがまた結集されるから俺と一緒にシャドウに戻ろう」みたいな意味合いだと思うので、マジで店長が逃げたとするのはちょっと無理がある。
2. 実はワームの襲撃があった
① 実はワームに先回りされており、倉庫で作業していた店長を探してワームが暴れたから店が荒れた。
②奥の部屋には元シャドウ隊員に擬態したセクティオワームが潜んでおり、生身で1vs2はマジヤバいため矢車さんも思わず悲鳴をあげた。が、ワームは窓かどっかから逃げた。
③まだ他にもワームがいるかもしれないので扉に向かって銃を向けた。
かなり無理がある気がするが無いとも言い切れない。カブトvsザビーや消し飛ぶ矢車と比較して、シチュエーションの差はあれど謎の悲鳴はどう聞いても矢車さんの声には聞こえない *2ということはこの際捨て置く。
ワームを強盗に置き換えて、あの店はたまたまあのタイミングで強盗に入られており、謎の悲鳴は矢車さんに追い詰められて逃げた強盗のものだったとすれば辻褄だけは合う。
3. ストレスが限界に達した矢車さんの奇行
①雑貨屋に入店するも誰もいなくてイライラした矢車さんがオリーブオイルにあたった。
②イライラした矢車さんは大声を出して所謂キチゲを解放した。
③なんでもいいから撃ちたくなった。
そんなシーン入れてどうすると言いたいところだが矢車さんは若干情緒不安定な上にキレて食べ物にあたったことがあるため無いとも言い切れない。
今回の矢車さんは返り咲きの予感に浮かれてかいつも以上に自己陶酔している*3のでストレスはむしろ無さそうだが、テンションが上がっていたが故にせっかくこの俺が来てやったのにという怒りが沸いたのかもしれない。
4. 影山の工作
①矢車に揺さぶりをかけるため事前に影山が荒らしておいた。
②影山が店の奥に何かを仕込んでおり、矢車さんが驚いた。
③ ②で敵の存在を感じさせるような何かがあったため、矢車さんは銃を構えた。
矛盾はないし矢車さんのちょっとビビってそうな雰囲気からもあり得そうなので有力説その2とする。
謎の悲鳴はどう聞いても矢車さんの声には聞こえないということはまた忘れる。
5. 矢車さんは骨董屋の怪人だった。
アンティークショップ……背広に黄色のネクタイの男……
つまり……
①実はあの矢車さんはワームだった。
②獲物を誘き寄せるため、擬態矢車は店長のふりをして悲鳴を上げ本物矢車もしくは店長を襲おうとした。
③ だが、違う人が出てきたのでやめた。本物矢車はずっと倉庫にいた。
6. 深い意味はない。
これを言わないように頑張ってみようという論旨なのでこれを言ったら終わり。
結論
答えに辿り着きたいと言ったが、当然というべきかわからなかった。
検証パートのないただの妄想だから当たり前だ。真面目な記事をこっちに持ってくると言ってしまったがいきなりふざけすぎた。
それで、意外とテレビ誌に名残があったりするかもしれないし、正直ここまで気にされていないということは言うほど気にならないシーンであるか俺に見落としがあるかのどっちかだと思う。
だが、台詞から判断すると天道はおそらく矢車が何か隠し事をしていると見抜いているため、なぜ瓶が割れたのか等の過程はどうあれ、
シーンの意図としては、
矢車さんは店主がシャドウ隊員であることと店に訪れた真の目的を天道たちに隠したかったため、オリーブオイルを買いに来たことにしてはぐらかしたと考えるのが一番自然な気がする。
カットされたシーンも気になるのでクウガで出ていたような全話のシナリオを収録したコンプリートBOXが他作でも発売されるように願うほかない。
だが、映画やドラマは撮影当日に脚本に変更が入ったり、編集段階でも大幅なカットが入るなどもままあるため、見てもわからないと思う。
矢車さんのストレスが……とか書いていた時、なぜ俺は18年前の子供番組の重箱の隅をつついているのか?と我に帰る瞬間があった。こんなこと思っているようじゃ俺もまだまだかもしれない。もうちょっとできる人だと思っていましたよ……。
*1:彼を演じた渡辺淳氏は最終回でもカメオ出演しており、カブトにおいて同じ顔の人が二人いるということは多大な意味を持つため、店長の正体は渡辺淳(擬態)である可能性も…
*2:非常にどうでもいいことだが、アニメ「金田一少年の事件簿R」にて、犯人が被害者の声を真似て悲鳴をあげることで偽装工作をするというシーンの字幕放送で「(犯人の名前)キャー!」と出てしまったことがあった。カブトも字幕放送だったはずなので、もしかしたら…
*3:あまり関係がないが、ワーム襲撃の際、またザビーになれると思った矢車さんが発した「お前たちの命は俺が守る。守ってみせる。」は加賀美がゼクターに認められるに至った熱い台詞「みんなの命は俺が守る!守ってみせる!」と同じ。偶然でないとこじつけるとすれば、矢車さんは加賀美の漢気に感銘を受け反省し、加賀美をリスペクトしてこう言ったのかもしれない。
だが、なんだかんだでポストに拘る矢車さんなのでこういうことを言えばザビーになれるという戦略だった可能性も…