CLOCK OVER

俺が正義

矢車さんの台詞を分析する

矢車さんの台詞をテキストマイニングで分析し、彼に何が起きたのかなどを考えよう。

Q. テキストマイニングって?
A. ああ!

超絶簡単に言うと「この単語が何回出てくる」とか「この単語はこの言葉と一緒に使われる」とかそういうのを分析しようということである。

使用ツール

メインウエポン
KH Coder: 計量テキスト分析・テキストマイニングのためのソフトウェア
サブウエポン
AIテキストマイニング by ユーザーローカル

使った台詞について

「仮面ライダーカブト」本編全49話分。
……のうち、7〜10・13・33〜48話のものを使用。
TTFCを見ながら手打ちしたが2時間ちょっとで終了。せめて5時間くらいかかってほしかった。矢車さんの出番は少なすぎる。
あくまで本編に絞ったため、ゲームの台詞や劇場版や小説版、そして「スーパーヒーロータイム!また見てね!」の寸劇は含めていない。
入力できるデータの量に制限のあるKH coder無料版の仕様上、13話の台詞は多分計算できていない。

区別のため、ザビーだった頃の矢車さんを矢車隊長
キックホッパーになった矢車さんをやさ車さんとする。

台詞の文字数(句読点などを含む)としては矢車隊長が約2300文字、やさ車さんが約1300文字
やさ車の登場話数は全15話であり、登場回数自体は4話しか出ていない矢車隊長の4倍もあるはずなのに1000文字も差が開いている。
だが、矢車隊長が登場した4エピソードは全て彼に焦点を当てたものであるのに対し、地獄兄弟がメインとなった回は存在しないのでこればかりは仕方がない。

分析結果を見る

頻出語

まずは矢車隊長・やさ車さん双方の頻出語を見てみよう。


docs.google.com とりあえず3回以上出てきた言葉で見ていくが、品詞別などより詳しいデータは上記スプレッドシートにまとめてあるのでそっちも見てほしい。
矢車隊長は「ワーム」「組織」「シャドウ」「完全調和」などZECT関連の言葉が上位に並んだのに対し、やさ車さんの方にはZECT関連語はゼロ。パーフェクトもハーモニーもない。そして「地獄」「暗闇」「闇」などネガティブな言葉が上位に来ている。やさ車さんで最も多いのはやはり「笑えよ」「笑ってもらおう」など「笑う」関連であった。
双方に共通するのは「ライダー」「影山」。一方で、に凝りだしたのは地獄に堕ちてからのようだ。

何気にやさ車さんからは「倒す」「敵」「仲間」といったヒロイックな語が消失している。人類の未来のために戦っていた矢車さんであったが、やはり何もかもどうでもよくなるような出来事が彼に起きたんだろうか。

個人的に注目したい語がやさ車さんにしか見られない「一緒」である。

  • 影山、俺と一緒に地獄に堕ちよう。(33話)
  • 影山、良い顔になったな。俺と一緒に地獄に堕ちるか?(35話)
  • 相棒。俺たちはずっと一緒だ。真っ暗闇の無間地獄でずっともがき苦しめ。(38話)
  • 楽しみだよ。真っ暗闇の無間地獄。みんなで一緒にのたうちまわりましょう。(43話)
  • 一緒に行こう。真夜中の太陽を求めて、白夜の世界へ。(47話)
  • 相棒。俺たちは永遠に一緒だ……。(48話)

上から4つは影山を道連れにする・縛り付ける意味合いでの「一緒」だが、47・48話の「一緒」はシンプルに矢車と影山ゎズッ友だょという意味と言っていいだろう。意味合いとしては「死んでも一緒」だし。ヤンデレの兄貴に死んでも愛されて眠れない影山CD*1
かつては組織の利を最優先し部下を率いていた矢車だが、地獄に堕ちてからは失恋した剣を第二の弟として迎え入れたり”瞳に俺と同じ闇がある”と間宮麗奈を守ったりもしている。何もかも失ったことによって個々の繋がりや同じような立場の人間に目を向けるようになったのかもしれない。
そして、キックホッパーに変身するとき滅茶苦茶嫌そうにするのはもちろん、ザビーゼクターを蹴り飛ばす・ZECT謹製ワーム探知機をもらわないなどZECTっぽいことは拒むようになっている。己の中の正義の燃えカスを感じるからなのか、単純にZECTに恨みがあるのか?

共起

次は共起ネットワーク図という頻出語を視覚化したものを見てもらおう。
よく使われたものほど円が大きく、線でつながれたものは同時に使われやすいという意味である。

やぐるまさん


組織人らしい語が並んでおり、良さそうな言葉も多いのでポジティブな印象を受ける。
全体的にいい人そうだと思ったが、「仲間の命は俺が守る」と「ベルトも命ももらおう。悪く思うなよ」がつながっていた。そして「カブトを倒す」「仲間を守る」など、ザビーとしての使命に駆られていることもわかる。

やさぐるまさん

見るからにネガティブになっている。何があった。
矢車隊長は「完全調和」といういまいちはっきりしない概念に拘る人物であったが隊長の立場によって具体的なことも言っていたのに対し、地位も名誉も失い、更にはストーリー上の存在意義まで失った彼は「地獄に堕ちる」「真夜中の太陽」「光をつかむ」など矢車隊長以上に抽象的なことしか言わなくなっていることがわかる。ポエマー矢車
地獄兄弟は物語が佳境に入ってからの登場であるが、彼らは常に蚊帳の外の存在、まさしくアウトサイダーズであったため、矢車隊長の方にあった「カブト」「ワーム」「ゼクター」「ZECT」など根幹にまつわる語は皆無。毎回1分くらい出てきてはよくわからないことを言って消える謎の存在である。

比較しよう

ユーザーローカルのマイニングツールは2つのテキストの比較ができて便利。それを用いて矢車隊長とやさ車さんを比較する。


ユーザーローカルAIテキストマイニングによる分析( https://textmining.userlocal.jp/

頻出語の項である程度比較してしまった為あまり言うことがない。「やさぐるまさんにだけ出現」の落差がひどすぎることくらいか?
分析にかけたらこんなものも作ってくれたので見てみよう。

ネガポジマップ


ネガティブな語とポジティブな語を表にしたものである。この分析に一番必要なものかもしれない。
やさ車さんの台詞数が少ないため極端な図になってしまっているが、興味深いのは矢車隊長もネガティブなことである。
ネガティブでなさそうな語もネガティブに分類されているが、中身を見ると

ベルトも命ももらおう。
待ってくれザビーゼクター!戻れ!戻れ!戻れぇ!!
ライダーは一人でいい。
後悔するがいい!ライダーになったことを!
あいつはもう変身できない。

などが含まれていた。ネガティブというか、攻撃的である。彼は敵キャラなので当然のことだ。やさ車唯一のポジティブ語「良い」は、「影山、いい顔になったな。俺の弟になれ。」であった。

ナイ

スプレッドシートを見ていたら気になったのが否定助動詞「ない」であった。助動詞などはテキストマイニングにおいて捨てられがちなデータであるが、ここを見てみたら面白かった。
矢車隊長の「ない」 やさ車の「ない」

やさ車さんの方は数が少ないので何とも言えないのだが、矢車隊長の「ない」は「二人もいらない」「リーダーとして捨ておけない」「倒さねばならない」など何かを規定するような発言が多い。他にも「それでこそ影山だ」「お前らしくもない」という台詞もある。「完全調和」と理想を語る矢車であるからして、彼は非常に使命感が強く、また「物事はこうあるべき」という意識も強いのだろう。

まとめ

  • 矢車隊長は使命感が強く規範的である。
  • やさ車さんは抽象的なことしか言わない。
  • 矢車隊長は刺々しく、やさ車さんは完全に無気力である。
  • やさ車さんはストーリー上重要な台詞を一度も言わなかった。
  • やさ車さんはあまりしゃべらない。

しない方がマシな要約だ

統計と関係ない個人的な考察になるが、矢車さんやさぐれの真相は

矢車さんは加賀美陸から対ネイティブ兵器ホッパーゼクターを渡された際に何らかの形でZECTの真相を知る。
ZECTにもネイティブにも、結局はライダーシステムというZECTとネイティブの力に従い頼っている己にも嫌気が差す(戦うとき嫌そうなのとなぜかカブトをボコったのとその後の意味深なリアクションはそれ)。
だが、また光を求めたくなり、影山と二人で誰も自分たちを知らずワームもネイティブもない北欧に行こうとする。
が、ZECTの謀略によって影山の命と共に絶たれた。

ってな所ではないかと思う。
が、彼に関する公式な情報としては「20話ぶりに見たと思ったら突然やさぐれていた」、その他一切のことはわかりません!米村先生の頭の中には何があったのか?そもそも考えてあったのか?

本当はカブトの全ての台詞でやりたかったのだが、49話分のテキストとなるとあまりにも膨大なため既存ツールでは制限に引っ掛かり自分でコードを書かないといけないこと、「カブト」の文字起こしが10話分くらいしか終わっていないことなどから矢車さんに起きた変化を見てみようというだけのしょっぱい記事になってしまった。

が、楽しかった。キャラクターの魅力は誰もが認めるカブトであるが、超人奇人揃いのカブトにおいて矢車さんは一番普通な人間ではないかと思う。そんな矢車さんを深読みすることはカブトの全容を見ることにもつながるだろう。
そして何より楽しかったのでまたやりたい。
俺の野望は終わっていない。二兎追う者は二兎とも取れ……ってな。

*1:矢車さんが失恋して嬉しそうにしてたのと小説版を見るにどっちかと言うと影山が……

【感想】仮面ライダージオウ 「2006:ネクスト・レベル・カブト/2019:カブトにえらばれしもの」

前置き

最近の俺 三つの出来事!
一つ!TTYO配信が今度こそ始まるかもしれないしカブトの感想を全話分書こうと意気込む!
二つ!着手するも全49話は膨大だった!
そして三つ!記事に入れる画像作りの方が楽しくなり画像作りに逃げてしまった!

というわけなのでジオウの感想で肩慣らしをしようと思います。
基本的に人名は敬称略・ネタバレ配慮は無しで行くので、それが嫌な人はこの記事より本編を見よう。
そしてジオウで肩慣らしと言ったがジオウを全話見たわけではないので物凄く頓珍漢なことを言っているかもしれない。なので、あくまで「カブト編」の話に絞り、ソウゴ一行や門矢士、タイムジャッカーがどうといった「ジオウ」自体の大筋やキャラクターについてはなるべく無視をするものとする。
PC版テーマはかっこいいがどれがリンクがわかりにくい。このように白く光るのがリンクである。読みにくかったら申し訳ないが携帯から見てほしい。


ジオウは正史か

カブト編は例によって時空の歪みが発生している。そのため、カブトの歴史は消えていないし、加賀美も変身するし、世界が合体している感じになっている。冒頭で説明があり、わかりやすい。
らしいが、全話見ているわけではないのでジオウの設定のことは置いておく。俺が気になっているのは後半のレジェンドは本編と地続きの存在なのかということだが、この記事では基本的にカブト本編を元に記述するものの、剣編などのこともあり、俺自身はジオウのレジェンドライダーはあくまで限りなく本編に近いルートを通ったジオウ世界のレジェンドであると考えている。
カブト最終回ではZECTは消えたとしか取れないのに加賀美がまだZECTはあるっぽい感じで話しているのこそがその根拠だ!というのは流石に根拠が弱すぎるにしても、制作当時想定されていた未来ではないだろう(≒後付け続編)という意味でもifの存在としたい。カブトの続編とはバンコクで加賀美が荷物をスられる話のことであるはずである。
まあ、都合の悪いことを誤魔化すための脳内設定なので、気にしなくていい。それに、俺が見てないジオウでその辺明示されてるのかも……。

脚本:毛利亘宏 監督:山口恭平

アナザー影山

アバンパートでいきなり登場する影山に擬態したワーム、通常アナザー影山。もう許してやれよ……
誰かの外見を笑うのは本来非常にセンシティブなのでアナザー影山ネタは影山を演じた内山眞人氏の寛容さの下に成り立っていることを忘れてはいけない(教訓)*1。たっくん短髪事件に続く弾丸オファーの悲劇である。
ワームとアナザーライダーの性質をダブらせるような呼び方は好きだがいかんせんイジリ要素と切っても切れない呼称なのでなんか微妙に申し訳なく、使いづらい。なのでこの記事では大人しくワーム影山と呼ぶ。

偽りの絆

加賀美「矢車と影山はコンビなんだ。地獄兄弟と言ってね」*2
ソウゴ「兄弟なの?」
加賀美「兄弟じゃない」
参照:「仮面ライダージオウ」第37話

それは違うよ!(ダンガンロンパ並感)
まあ血縁的な意味ではその通りなんだが。地獄兄弟の話になると厄介オタクが目覚める。
まあでも兄弟じゃないのかもしれない。天道総司・風間大介・神代剣など、ライダー達の個性と個性がぶつかり合うような番組であるカブトにおいて、矢車・影山は確固たる芯を持たない人物として描かれていた。
初登場時点では矢車を盲目的に慕い、矢車を失った後はどれだけ無様を晒してもシャドウ隊長の肩書にしがみつこうとした影山はわかりやすいが、矢車も「自分を出し抜く天道を倒さなければ俺が俺でなくなる」(≒部下や組織から必要とされなくなり価値を失うという意味もある?)という恐怖に取り憑かれたようにアイデンティティの不安定な男である。(まあ、なんなら天道総司もアイデンティティの不安定な男と言えるのだが、この話は本編レビューの方でまとめたい。なんか急にカブトのテーマだったような気がしてきた)

カッコよすぎでもなく、悪すぎでもなく、いい人すぎでもなく、キャラが濃いような、うすいような……。最初の時、石田監督から「すごく難しいんだけど、「地味」で行きたい。それが崩れていく……」という話を受けました。
徳山秀典さんインタビュー(後編) - 東映サイト

とにかく、カブトキャラの中ではキャラの濃い方ではないというか、普通だった矢車隊長。そして最早芯のなさが芯になるレベルで己を持たない影山。矢車より上の地位に立った影山は用済みとなった矢車を追放し彼の心をへし折った。そんな二人がなぜ地獄兄弟になったのかと考えると、彼らはどこまで行ってもZECTの犬であったからだと思う。天道に代表されるように「俺は俺」「俺の価値は俺が決める」的なキャラクターの多いカブトだが、組織人として描かれる矢車・影山の二人は他者からの評価に主軸を置いている。地獄兄弟とは、色々あったが結局は上に立つ人間に付き従っていたい影山と色々あったが結局は誰かからの承認を得ていたい矢車の要は利害の一致で、更に言えばエリート同士の傷の舐め合い、そしてごっこ遊びである。その点では、兄弟ではないのかもしれない。
いや……それは違うよ! 取り消す。地獄兄弟は兄弟だ。矢車が影山を引き入れたのは道連れにしてやるという意味合いが強かっただろうし、影山にとってもなんだかんだ一番良かった頃であろう矢車ザビー時代のやり直しに過ぎなかったかもしれないが、本編第40話にて失恋し消し飛んだ矢車を今度は影山が迎え入れたことによって二人は本当の兄弟になったのだ。なんて感動的なんだ……。
ところでジオウの地獄兄弟はどうか? 言うまでもない。偽物だ。

ゲイツ「矢車!どこへ行く!?」
矢車「弟のところだ。影山は俺が守る」
ゲイツ「待て!あの影山はもう……」
矢車「ワームだったらなんだってんだ……!俺の、可愛い、弟だ……」
参照:「仮面ライダージオウ」第38話

 矢車はこんなに影山に優しかっただろうか? それは違う。優しくなってきたのは大体40話以降の話であり、それまでは殴る蹴るは当たり前、40話以降もそう露骨に甘やかすことはなかった。44話のみんな大好きトリプルライダーキックのシーンで影山の仇を取ったのも、本人の前ではつっけんどんにしつつも裏でこっそり敵を取りに行くという隠れた優しさである。本編の矢車は間違っても影山の前で「お前さえいればそれでいい」なんて言わなかったはずだ。矢車は生前の影山に言ってやれなかったことをワームの影山に言っているのである。
 ワーム影山は同胞の招致のために矢車を利用し、矢車は弟殺しの罪から目を背けるためにワーム影山を利用する。最初は利用し合う関係であったとしても最終的には同じ夢を目指した真・地獄兄弟に対し、どこまでも平行線である偽・地獄兄弟は地獄兄弟ごっこの域を出られない。

非情の街に狼の歌を

 「カブト」本編において、大切な人がワームだったらどうする?というのは、加賀美新と加賀美亮に始まり、じいやと神代剣、風間大介と間宮麗奈、そして、天道総司と日下部ひより・矢車想と影山瞬——と、幾度となく描かれてきたテーマだ。たとえば、
 弟と同じ顔と記憶を持つワームに少なからず情が湧いてしまうも、最後には弟を愚弄するワームを倒す決心をした加賀美。
 剣を殺した張本人であるワームが擬態した剣に対し本物の剣と同じように接し、その最期を看取ったじいや。
 人間の心を取り戻した間宮麗奈/ウカワームと恋に落ちるも、彼女との約束を守り自らの手で葬った大介。
 憎むべき敵であるワーム(ネイティブだけど)に身を堕とし、それでも人間として死にたいという弟の願いを飲んだ矢車。
 そして、ワームであろうとたった一人の大切な妹を守ると誓った天道総司。
 これらを全部まとめて歪めたのが今回の地獄兄弟だ。弟の顔と記憶を利用するワームに依存し、過去の後悔を取り返すべく本物以上に優しく接し、もしもの時は自ら倒すと宣言するも実行できず、たった一人の弟の偽物を必死に守る矢車。
 彼はまさしく「アナザーカブト」なのだ。
 

矢車「影山……お前地球滅ぼそうとしてんのか?」
ワーム影山「ああ……もっと地獄にしてやる。兄貴は反対かい?」
矢車「いやあ……俺はお前さえいりゃそれでいい」

参照:「仮面ライダージオウ」第38話
(かつてのように二人で兄弟ラーメンを食べる矢車とワーム影山。「食」が重要な要素として描かれていたカブトにおいて、ワーム影山がラーメンに口をつけないのは示唆に富んでいる)

「カブト」最終回の終盤ではおそらくラストバトルから数ヶ月~数年が経ち平和になった世界が描かれ、ネイティブであるひよりや田所は人間社会でいたって平和に暮らしている。そして、地獄兄弟の結成後は所謂縦軸に一切絡まない蚊帳の外の存在となった彼らは三男として迎え入れた剣がワームであることも彼が死んだということも知らない*3。一度は惚れた相手であるウカワームの死も知らないだろうし、ZECTがネイティブと手を組んでいたことも知らないだろう。なんならネイティブの存在すら知らなかった可能性もある(ホッパーゼクターは対ネイティブ兵器とされているが……。少なくとも影山は何も知らないと思う。)。
 ネイティブの謀略により化け物にされてしまった弟をそうとも知らず葬った矢車が全ての真相を知ったとき彼は一体何を思うだろうか。矢車がああなるのは違和感があるという意見も見るが、ZECTはおそらく解散、トップであった加賀美陸やネックレスを配った加賀美達は不問、悪のネイティブは既に天道によって殺されており、終いにはネイティブにされたZECT隊員が自らの意思で人間に戻り、ひよりのようなイノセントなネイティブも社会に受け入れられ平和に暮らしているとくれば、矢車がワーム影山に囚われているのも、ワーム影山と共に地球を滅ぼそうとする……というより地球が滅ぼうがどうでもよさそうなのも個人的には違和感はない。
 ジオウカブト編が好きな理由としては、言葉は悪いがご都合主義感が強く納得のいかなかったラスト3話の「まあそりゃそうなるだろ」という続きが描かれたというのも比重としては大きいかもしれない。謂わば矢車はハッピーエンドに見捨てられた存在だ。

激論青カブ

 「カブトにえらばれしもの」では、アナザーカブトを倒すべく加賀美がカブトに変身する。
今なおあれはアリかナシかで意見の割れる存在・加賀美カブトである。良くも悪くもジオウカブト編=加賀美カブトとして語り尽くされ堂々巡りしている話題なのであえて触れる必要性をあまり感じないが、触れておこう。
 まず、俺の意見を述べると、加賀美をカブトにするなという考えは微塵も持っていない。なぜかというと、まずカブトはもっと資格者がよく変わる555みたいな話にしたかったとか。それに、加賀美が天道の力を借りる展開自体はアツい。カブトとガタックは変身者が決められているからと言っても、ゼクターは気まぐれであるし、ネイティブの陰謀から解放されているのであれば尚更だ。そして何より、

  • カブト編をやるが、水嶋ヒロにはオファーを出さない。(出せない?)
  • カブトアーマーもない。
  • でもアナザーライダー討伐用にカブトのなんかを出さないといけない。
  • 佐藤祐基の出演は決まった。
  • 加賀美をカブトにしよう。

 こういう流れだったことが予測できるからだ。「インスタで触れてるんだからオファーがあれば出たに違いない」とか「FOREVERで使えたんだからライブラリ出演させればいい」とか「天道の存在を匂わせる描写を入れればいい」だとか様々な意見を見るが、俺が思うのは、仮面ライダーは映像制作会社・テレビ局・玩具会社・原作のライセンス管理会社・出版社、さらにはタレント事務所など様々な企業が絡む知的財産であり、テレビシリーズはその販促番組であり、で、テレビシリーズは瞬間瞬間を必死に生きている。俺が考えた最高の展開や折衷案を必ずしも実現できるとは限らない。カブト自体様々な事情から実現できなかったであろう要素が多い。プロデューサーの白倉伸一郎はカブトは反省点の多い企画だったと語る*4

 そして、結婚・KAGEROU・事務所退社・ポプラ社大賞など、カブト以降の水嶋ヒロを取り巻く状況は非常に複雑かつ不明瞭なので彼に関することを断言するのは控えるが、一つの事実として、仮面ライダーカブトのBlu-rayにはDVDに収録されていたキャストインタビューが再録されているのに、主演である水嶋ヒロのインタビューのみ収録されていない。備考として、当時は表舞台から完全に姿を消していた*5ひより役の里中唯のインタビューは収録されている。さらに、前作「響鬼」のBD(主演俳優が元事務所に冤罪をかけられた事件の後に発売)は主演俳優の撮り下ろしインタビュー映像が収録され、次作である「電王」のBDではブックレットに主演俳優の新規インタビューが掲載されている。
 そして、「平ジェネFOREVER」においても彼にはオファーすら届いていない(ソース。インスタの返信はログインしないと見られないので貼れるリンクが週刊誌のコタツ記事になってしまうんだが…。)。
 ジオウの時に少し話題になった水嶋ヒロが現在の生き方を語るカブト編のちょうど半年前のインタビューがある。併せてこれも読んでもらいたい。長くなってきたので水嶋ヒロについてはこの辺りで切り上げるが、水嶋ヒロの天道はまたどこかで見たい。短い仕事ならやれるという発言からしても水嶋ヒロ自体はオファーさえあれば出てくれる可能性はあった分、それすらなかったというのは残念だし、なかった理由が仮に芸能界のしがらみに由来するとすれば尚のこと残念で仕方がないし、カブト編面白いけど水嶋ヒロにオファー出してないんだよな…というノイズになっていないと言えば嘘になってしまう。ともかくみんなヒロメシをみよう!

 話を戻して加賀美カブトだが、多くの人が触れているカブトに未練のある加賀美はなんか違うんじゃないかという部分については、激しく同意する。
 加賀美の有名なセリフといえば、「俺は俺にしかなれない。でもこれが俺なんだ。」であろう。だがそのセリフについては加賀美カブト論争において死ぬほど擦られた後なので、今回はあまり触れられていないてれびくん謹製超バトルDVD「誕生!ガタックハイパーフォーム!」の話をする。これは最近なぜか真骨彫になったハイパーガタックが初登場した作品*6で、なぜか喋るカブトとガタックのゼクターに見守られつつ加賀美が天道に近づくため頑張るという内容の短編である。響鬼とネタ被ってるとか言ってはいけない*7
 このDVDのオチも要は「天道は天道、加賀美は加賀美」みたいな感じで、加賀美が改めて「俺は俺だ!」という結論に行き着くというものである。マジの子供向け番外編なのでかなりギャグ仕立てなのだが、「先を行く者とそれを追う者」としての天道と加賀美をよく描いた短編なので非常におすすめ。天道総司5つの秘密!の謎のイメージ映像となぜか真骨彫になったガタックのハイパーフォームも必見。
 また話を戻すとして、そんなこんなで加賀美はまだカブトに未練が…というのは俺的にも納得のいかないポイントだった。天道を越えたいならばともかく、「カブトゼクター……俺を認めてくれるのか?」と、「カブトに選ばれなかったこと自体に未練がある」というのは全くもってピンと来ない。
 二行で済むことをこんなに長々と書いたのか……。他にも、カブト編の好きじゃない点を敢えて挙げるとすれば、矢車さんの川下りもそうだ(その後のゲイツとの会話シーンは徳山氏の演技にアスファルトに頬擦りしていた頃の不気味な矢車の影を見たということもあり非常に好き)。意味のないシーンを入れればカブトっぽくなるというのは違うのかなと思った。
 逆に、よかった小ネタはやっぱりOP入りのデッ!デデデ!だ!初見の時は超びっくりした。

虫けらどもに寂しい春を

俺たちは永遠に二人で……地獄を彷徨うんだ……!

 そしてついに決戦の時が来る。万が一の時には影山を倒すとゲイツに話していた矢車だが、やはり矢車には影山と同じ形をした存在を再び殺すことはできなかった。矢車に代わり、ゲイツがワーム影山に手を下す(先述した通りカブト4話の展開にダブる)。パンチホッパーの変身が解けた影山を守ろうと走った矢車を今度は加賀美カブトが仕留め、カブトのアナザーウォッチは消滅。ワームの乗った隕石もツクヨミのお陰でどうにかなった。再び「カブト」にハッピーエンドが訪れようとしている。

ワーム影山「俺の……仲間達が……!」
矢車「影山……もう一度、兄貴って……呼んでくれよ……」
ワーム影山「俺は影山じゃない……。お前は俺の、兄貴なんかじゃない……!」

参照:「仮面ライダージオウ」第38話

 加賀美に敗北し負傷した矢車には目もくれず、真っ先に同胞であるワーム軍団が殺されたことを気にかけるワーム影山。姿こそ影山のままだが、大切な兄貴よりも「仲間達」と自分の野望を優先する姿はもはや擬態を解いたワームそのものだ。そんな一匹のワームに対し、矢車は「もう一度兄貴って呼んでくれよ」と縋る。
 だが、矢車に与えられたのは「お前は俺の兄貴なんかじゃない」という言葉だった。
 死の直前に兄を呼んだベルクリケタスワーム(加賀美弟)、最期には加賀美を守ったタランテスワーム(まことくん)、人間の心を取り戻し風間大介と恋に落ちた*8ウカワーム(間宮麗奈)、擬態元の強い意思に影響されて自身がワームであることにも気付かないまま姉を仇を取るために戦い、最期には自らの仇も取ったスコルピオワーム(神代剣)と、「ワームの意思が擬態元の人間の心に負ける・影響を受ける」という描写も多かった「カブト」なので、このシーンにもさまざまな説がある。
 具体的には「影山の意思がワームに影響を及ぼし、矢車を解放するために言った発言」「ワーム影山が矢車の目を覚まさせるために言った」など。無論どれも嫌いではない。だが、俺の考えを述べるとすれば、あれはワームの本心であると思う。擬態元である影山も、影山に擬態したワームもどこまで行っても利己的な奴だ。ワームが自身の野望が潰えてこれから死ぬという時にずっと利用していただけの矢車を気遣えるとも、自分のためにしたことも誰かのためにしたことも空回りし続け、小説版では一人で死ぬのは寂しいからと矢車との心中を望んでいた影山が気の利いたことを言えるとも思わない。
 ともあれ、矢車は再び弟を失った。ワームにとっての矢車は兄貴でもなんでもないただの計画のための駒に過ぎなかったが、矢車にとっては可愛い弟だったのだ。

矢車「笑えよ。誰か俺を、笑ってくれよ」
ゲイツ「矢車……すまない」

参照:「仮面ライダージオウ」第38話

 矢車は自嘲して何処かへと去っていく。ここのゲイツの「すまない」が良いよね。ゲイツすき。こうしてワームは殲滅され隕石騒動も無事に終結、アナザーウォッチは破壊され、ソウゴもカブトのウォッチを手にすることができた。再びカブトのストーリーにハッピーエンドが訪れ、矢車はまたもハッピーエンドから見放された。
 そしてライドウォッチになったカブトゼクターだが、ラーメンを作ってくれたりもするカブゼクの意思はどこに。変身アイテムが生きてると若干不安になる。

風が運ぶ春はよけていく

 加賀美には悪いが、俺の矢車贔屓を抜きにしても、ジオウカブト編の主役は矢車だったと言わざるを得ない。
 矢車は最後夕日に向かって歩いていく。夕焼けというのは本編におけるカブトvs矢車ザビーのロケーションであり、そして「カブト」においてカブト/天道は太陽に喩えられた。いよいよ誰にも救えない存在となった矢車を太陽が照らしているというのも皮肉なものである。お天道様が見ている。
 カブト編における矢車は怪人アナザーカブトであり、「仮面ライダーカブト」のアナザーであり、天道のアナザーでもあった。
 こうして書いて改めて思ったが、やっぱりカブト編はかなり好きな話だ。加賀美の描写は納得のいかない点が多いが、地獄兄弟というか矢車の描写はとても好きだ。ワームと人間、兄と弟・妹というカブトのテーゼを裏返しまとめた「ジオウ」。そして何より軽いノリで宇宙に行くのに米村イズムを感じる。どこが良かったか?などを再確認できてよかったし、何よりほぼ地獄兄弟の話だけで10000文字書けたことに驚いた。
  最後に、はてなブログはJASRAC管理楽曲の歌詞の掲載を認めていることなので、締め方も思いつかないことだしこの歌を引用して良い感じに記事を終えたいと思う。カブトの話をするならば俺もポエマーにならなければならない。地獄兄弟の元ネタになったドラマ「傷だらけの天使」最終回の挿入歌だ。

夢のような過去は消えてゆく
一人だけでただ歩く もう誰もいない
風が運ぶ春はよけていく
一人だけでまだ歌う この俺を笑う

「一人」デイヴ平尾/井上堯之


*1:最近も自虐していた。カブト20周年の前に、彼が第三のデュナミストを演じた超絶名作ウルトラマンネクサス20周年もよろしく!

*2:加賀美は地獄兄弟になってからも矢車さん・影山さんと呼んでいたはずだが、ワームを庇護する矢車など敬うに値しないということだろうか。あと、かつてがむしゃらな若者だった加賀美が若者たちになんとも言えない距離感で接するおっさんになっていたことに謎の感慨を感じた

*3:ちなみに、影山がワーム探知機を三つぶんどっていったのは自分と兄貴の分に加えて剣の分も持っていったという説がある。だが、脚本の記述を基にしている小説版によると、影山は矢車にもネックレスを「さらに三つ」渡そうとしたとある。つまり、自身と矢車用に各三つずつ持って行ったというのが真相。説としては面白いので好き。

*4:「証言!仮面ライダー 平成」にて。彼のツイートも参照

*5:今はインスタをやっている

*6:というかこれとPS2のゲームにしか出てないのになぜサブライダーやコーカサスを差し置いて真骨彫に

*7:電王とキバも両方エクササイズみたいなネタ。2年周期?カブトがエクササイズネタだったらTRFのダンササイズを先取りできたかも……

*8:本質的には「ワームの記憶を失った」だけなのでスコルピオと一緒。

パリは横浜だった

カブトの最終回

と聞いて皆さんは何を思い浮かべるだろうか?
それはフランス・パリでの風景ではなかっただろうか?

ところで、この画像 (←リンクだよ)を見ていただきたい。これはライダー図鑑の「天道総司」の項に掲載されているスチール写真である。
なんとなく好きな写真だがこんなシーンあったかな?と若干不思議に思っていた。
結論から言うとこんなシーンはあった。 それは最終回のこの場面である。

参照:『仮面ライダーカブト』第49話 23分2秒)

天道がパリで自己紹介するシーンだ。さっきの写真はこの場面を横から見た形となる。そして、
これが件のスチールの撮影地であるBASE-1というアパレルショップの前の道路である。
自慢気に載せたもののGoogleマップの写真はかなり歪んでしまっているので普通のカメラで撮られた写真(←リンク)を確認してほしいのだが、

完 全 に 一 致

つまり例の服屋の前で豆腐のボウルを持ち天を指差すという謎のシチュエーションの天道の写真はパリの風景を写した写真だったのである。

これは凄い!俺はなんて発見をしてしまったんだ……
なんてはずもなく、東映公式サイト「それぞれのオールアップ」にて普通に撮影風景が写っているのだが、なかなかこの3つの写真が結び付かなかったので再発見の記念にメモしておく。

件の写真はクランクアップの瞬間を写した感動的な一枚であった。

オリーブオイルの店で何が起きていたのか考えてみる

日頃、未回収の伏線が多いやら矛盾してるやら意味がわからないやらと散々な評価を受ける仮面ライダーカブトであるが、マスクドライダー計画とかの基本的な設定については多少強引ではあるものの一応説明がついている。
……ついてるよね?。見すぎて脳が勝手に補正しているような気もするのでこの辺の話は正直自信がなくて参加できない。
ネイティブ周りの疑問点はネイティブは一度は消えたことがある設定っぽい以上もう仕方がない。三島さんも田所さんもかなりギリギリまで人間とワームの間を右往左往していたはず。

そんなカブトでも個人的にとりわけ謎なシーンが第13話におけるオリーブオイルを売っている雑貨屋での出来事である。
ネタシーン以外で?が浮かんだのはここが初めてだったかもしれない。
このシーンについて気にしている人が少ないため実は意味不明じゃないという可能性もあるが俺的には初めて見た時からずっと謎なシーンなので今回はいろいろな仮説を立てて遊びたい答えに辿り着きたい。

13~14話のあらすじ

チーム・シャドウの元隊員が次々と殺害される事件が発生する。
シャドウの情報を売っている内通者の存在が囁かれる。
シャドウ隊長となった影山は矢車の逆恨みを疑う。
シャドウは解散したという設定で組織ぐるみでの芝居を打ち、矢車を騙す。
矢車さんはシロだったが思ってたよりもできない人だったのでついでにクビにされた。

真犯人は神崎士郎のそっくりさんのそっくりさんだった。

件のシーン

  1. ビストロサルのオリーブオイルが切れる。いつもなら宅配で済むところ、連絡がつかないため店までお使いを頼まれたひよりがシャドウ隊員*1が営む雑貨屋に入店。無人で荒れ果てた店内にひよりビビる。
  2. 天道登場。
  3. 店の奥で男の叫び声と物音がする。
  4. 天道、ドアを開ける。
  5. ドアの向こうには入口側のドアに向かって銃を構える矢車さんの姿があった。
  6. 天道と矢車さん、オリーブオイルを巡る会話。
  7. 場面転換

今回は以下の3点から考えてみる。
①なぜ店内が荒れていたのか
②奥の部屋で何が起きたのか。悲鳴の主は誰だったのか。
③(入口側のドアに向かって銃を構えるなど)矢車さんは一体何がしたかったのか

直前の影山との会話シーンでの「他の隊員がどこにいるか知らないか?」という台詞から、矢車さんが倉庫にいた理由は「影山に店舗と倉庫の場所を教えられた」とする。

仮説を立ててみる

  1. 店長がいた。
  2. ワームの襲撃があった。
  3. ストレスが限界に達した矢車さんの奇行。
  4. 影山の工作。
  5. 矢車さんは骨董屋の怪人だった。
  6. 深い意味はない。

1. 店長がいた
矢車の真の目的はおそらく店長とのコンタクトであることと天道との会話における矢車の何かを隠すような口ぶりから考えても一番あり得そうな説。
おそらく天道がドアを開けたときには本当に矢車1人だったこと・倉庫での矢車の「もう逃げる必要はない」という台詞から推測して、

① 内通者疑惑のかかる矢車さんと一対一になり身の危険を感じた店長は店の奥に逃げ込んだ。通路が狭かったため逃げる過程で瓶が割れた。
②矢車さんがしつこく追いかけてくるため店長がビビって叫んだ。店長は窓か勝手口かどこかから逃げた。
③ 店長は何かに追われていたんだと勘違いした矢車さんが入り口に向かって銃を構えた。

という流れだったのかもしれない。ただその場合、直前の流れからして店と倉庫の場所を教えたのは影山だろうし店長にも矢車が来るから注意しろと伝えてあるだろう。それに、「シャドウが再結成される。だからもう逃げる必要はない」「俺がまたザビーになってワームを倒すからもう怯えなくていい」もしくは「シャドウがまた結集されるから俺と一緒にシャドウに戻ろう」みたいな意味合いだと思うので、マジで店長が逃げたとするのはちょっと無理がある。

2. 実はワームの襲撃があった
① 実はワームに先回りされており、倉庫で作業していた店長を探してワームが暴れたから店が荒れた。
②奥の部屋には元シャドウ隊員に擬態したセクティオワームが潜んでおり、生身で1vs2はマジヤバいため矢車さんも思わず悲鳴をあげた。が、ワームは窓かどっかから逃げた。
③まだ他にもワームがいるかもしれないので扉に向かって銃を向けた。

かなり無理がある気がするが無いとも言い切れない。カブトvsザビーや消し飛ぶ矢車と比較して、シチュエーションの差はあれど謎の悲鳴はどう聞いても矢車さんの声には聞こえない *2ということはこの際捨て置く。
ワームを強盗に置き換えて、あの店はたまたまあのタイミングで強盗に入られており、謎の悲鳴は矢車さんに追い詰められて逃げた強盗のものだったとすれば辻褄だけは合う。

3. ストレスが限界に達した矢車さんの奇行
①雑貨屋に入店するも誰もいなくてイライラした矢車さんがオリーブオイルにあたった。
②イライラした矢車さんは大声を出して所謂キチゲを解放した。
③なんでもいいから撃ちたくなった。

そんなシーン入れてどうすると言いたいところだが矢車さんは若干情緒不安定な上にキレて食べ物にあたったことがあるため無いとも言い切れない。
今回の矢車さんは返り咲きの予感に浮かれてかいつも以上に自己陶酔している*3のでストレスはむしろ無さそうだが、テンションが上がっていたが故にせっかくこの俺が来てやったのにという怒りが沸いたのかもしれない。

4. 影山の工作
①矢車に揺さぶりをかけるため事前に影山が荒らしておいた。
②影山が店の奥に何かを仕込んでおり、矢車さんが驚いた。
③ ②で敵の存在を感じさせるような何かがあったため、矢車さんは銃を構えた。

矛盾はないし矢車さんのちょっとビビってそうな雰囲気からもあり得そうなので有力説その2とする。
謎の悲鳴はどう聞いても矢車さんの声には聞こえないということはまた忘れる。

5. 矢車さんは骨董屋の怪人だった。

アンティークショップ……背広に黄色のネクタイの男……
つまり……
①実はあの矢車さんはワームだった。
②獲物を誘き寄せるため、擬態矢車は店長のふりをして悲鳴を上げ本物矢車もしくは店長を襲おうとした。
③ だが、違う人が出てきたのでやめた。本物矢車はずっと倉庫にいた。

6. 深い意味はない。
これを言わないように頑張ってみようという論旨なのでこれを言ったら終わり。

結論

答えに辿り着きたいと言ったが、当然というべきかわからなかった。
検証パートのないただの妄想だから当たり前だ。真面目な記事をこっちに持ってくると言ってしまったがいきなりふざけすぎた。 それで、意外とテレビ誌に名残があったりするかもしれないし、正直ここまで気にされていないということは言うほど気にならないシーンであるか俺に見落としがあるかのどっちかだと思う。

だが、台詞から判断すると天道はおそらく矢車が何か隠し事をしていると見抜いているため、なぜ瓶が割れたのか等の過程はどうあれ、
シーンの意図としては、
矢車さんは店主がシャドウ隊員であることと店に訪れた真の目的を天道たちに隠したかったため、オリーブオイルを買いに来たことにしてはぐらかしたと考えるのが一番自然な気がする。

カットされたシーンも気になるのでクウガで出ていたような全話のシナリオを収録したコンプリートBOXが他作でも発売されるように願うほかない。
だが、映画やドラマは撮影当日に脚本に変更が入ったり、編集段階でも大幅なカットが入るなどもままあるため、見てもわからないと思う。

矢車さんのストレスが……とか書いていた時、なぜ俺は18年前の子供番組の重箱の隅をつついているのか?と我に帰る瞬間があった。こんなこと思っているようじゃ俺もまだまだかもしれない。もうちょっとできる人だと思っていましたよ……。

*1:彼を演じた渡辺淳氏は最終回でもカメオ出演しており、カブトにおいて同じ顔の人が二人いるということは多大な意味を持つため、店長の正体は渡辺淳(擬態)である可能性も…

*2:非常にどうでもいいことだが、アニメ「金田一少年の事件簿R」にて、犯人が被害者の声を真似て悲鳴をあげることで偽装工作をするというシーンの字幕放送で「(犯人の名前)キャー!」と出てしまったことがあった。カブトも字幕放送だったはずなので、もしかしたら…

*3:あまり関係がないが、ワーム襲撃の際、またザビーになれると思った矢車さんが発した「お前たちの命は俺が守る。守ってみせる。」は加賀美がゼクターに認められるに至った熱い台詞「みんなの命は俺が守る!守ってみせる!」と同じ。偶然でないとこじつけるとすれば、矢車さんは加賀美の漢気に感銘を受け反省し、加賀美をリスペクトしてこう言ったのかもしれない。
だが、なんだかんだでポストに拘る矢車さんなのでこういうことを言えばザビーになれるという戦略だった可能性も…

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